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超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか : ウィキペディア日本語版
超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか[ちょうじくうようさいまくろす あい おぼえていますか]

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』(ちょうじくうようさいマクロス あい・おぼえていますか)は、日本のSFアニメーション映画テレビアニメ超時空要塞マクロス』(1982年 - 1983年放送)の劇場用作品である。
1984年7月21日(大阪・名古屋地区では7月7日)より東宝洋画系にて公開された。総製作費は約4億円〔、配給収入は7億円〔。キャッチコピーは「それは時空を超えたラブソング」「ミンメイ 最大戦速(マクロスピード)!!」。
== 作品解説 ==
『超時空要塞マクロス』の人気を受けて、1982年末にテレビシリーズの放送延長とともに映画化企画が浮上〔『MACROSS THE MOVIE』小学館、1984年、388頁。〕。1983年から1984年にかけて、後番組『超時空世紀オーガス』の制作と並行して準備が進められた。
監督はテレビシリーズのチーフディレクターを務めた石黒昇と、メカニックデザイナー出身の河森正治が共同で担当。河森はテレビシリーズ第17話「ファンタズム」や第27話「愛は流れる」の演出(「黒河影次」名義で絵コンテ担当)を認められて抜擢された〔これがプロフェッショナルの仕事と生き様、マクロスの河森正治監督が語る「アニメーション監督という職業」 - GIGAZINE(2010年10月31日)2012年7月26日閲覧〕。ストーリーは河森の初期構成案をもとに富田祐弘が準備稿を執筆。これと河森が描いたイメージボードを元に、石黒と高山文彦が絵コンテを切り、河森が最後に全体のトーンをまとめるというプロセスで構成された〔「DOCUMENT OF MACROSS No.004 劇場版愛・おぼえていますか資料編」(『ニュータイプエース Vol.11』特別付録)角川書店、2012年、3 - 5頁。〕。
公開当時はテレビアニメのダイジェスト映像をもって劇場版とする作品が多かったが、本作は全編新作フィルムとして制作された〔 BD版『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか Hybrid Pack 30周年アニバーサリーボックス』特典映像「愛・おぼえていますか フラッシュバック1984」。〕。「アイドル歌手リン・ミンメイの歌によって文化を知らない異星人との星間戦争に決着がつく」というコンセプトを保ちつつ〔超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか - バンダイチャンネル(2012年7月26日閲覧)。〕、テレビシリーズ第27話「愛は流れる」までのエピソードを再構成〔マクロス特集 超時空要塞マクロスシリーズ - バンダイチャンネル(2012年7月26日閲覧)。〕。敵が男のゼントラーディと女のメルトランディという2種族に分かれて争い続けていることや、クライマックスで流れる歌が太古の流行歌であることなど、設定を大きく変更した〔。河森は作品のテーマについて、「生まれも育ちもちがう複数の人物が、その差を乗り越えてひとつになり得るか〔河森正治、美樹本晴彦、片桐卓也 『おぼえていますか』、徳間書店アニメージュ文庫、1985年、109頁。〕」と述べている。
その世界観を視覚化するため、宮武一貴がデザインラインを再編し、現用兵器的な地球系、深海生物的なゼントラーディ系、無機工学的なメルトランディ系に色分けした〔氷川竜介「アニメマエストロ+ 宮武一貴「プロダクションデザイン」の役割」『BSアニメ夜話 Vol.04 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』キネマ旬報社、2007年、56-61頁。〕。また、「デカルチャー」などの異星言語を考案し、画面に翻訳テロップを付けるという手法を用いている。キャラクターデザインにおいても、前述の宮武のデザインラインの系統に沿ってリメイクされ、劇場で視聴する際の角度も考慮した頭身へと変更(特に地球側キャラクターが顕著)された。
作画では美樹本晴彦(地球側キャラクター)、平野俊弘(異星人キャラクター)、板野一郎(メカアクション)ら作画監督が中心となり、テレビシリーズの代表的な話数よりもさらに絵の密度を上げるとともに、スケジュールなどの問題により維持できなかったクオリティの統一を図ることを目標とした〔「DOCUMENT OF MACROSS No.004 劇場版愛・おぼえていますか資料編」、12頁。〕。キャラクターのタッチはじっくりした芝居の「間」にこだわるという演出意図から、テレビシリーズよりも落ち着いたものに変更された〔「MACROFEX」『アニメック 1984年9月号』ラポート、1984年、62頁。〕。また、空中戦シーンでは大気圏内と宇宙空間での機動の違いや、パイロットごとの操縦の個性の違いを表現している〔。
音楽では作曲家の羽田健太郎が新規にBGMを作曲〔羽田が作曲を担当した特撮映画『さよならジュピター』(1984年)では本作のBGMが流用されている。〕。作中のシーンに合わせて、ミンメイ役の歌手飯島真理が歌う劇中歌を配置している。加藤和彦安井かずみ夫妻が提供した主題歌『愛・おぼえていますか』は、劇中においてもクライマックスの大戦闘を終結に導くキーナンバーとされた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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